介護の仕事をしていると利用者の過去に触れることが結構ある。
本人の口から語られることもあるし、
入所時の調査書から知ることもある。
なかには物凄く大変だったんだろうなという人もいて、
そういう人を見ると反射的に「かわいそう」という感情になることがあった。
でも最近、こう考えるのは物凄く失礼な事だと考えるようになった。
確かに外から見たら物凄く大変そうだし、
本人からも「辛かった」という言葉を聞くこともある。
ではその人は「今」不幸なのかというと、決してそうではない。
毎日のように面会者が来て、
本人も何時も笑顔で、
見るからに幸せそうな場合もある。
それなのにコチラの勝手な解釈で「かわいそう」と思うのは
失礼だし相手を見下している行為に思えた。
仮に自分の立場で考えてみるとよくわかる。
私は今月1万円の小遣いで暮らしている。
正直言ってやりくりは大変だし、
もう少しお金があったらなぁと思うことはしょっちゅうある。
でもこの生活を他人から「かわいそう」
なんて言われたらはっきり言ってムカつく。
「他人が何勝手なこと言ってんだ?」と思う。
こう考えるようになってから、誰かの事を勝手に
「かわいそう」なんて思いたくないと考えるようになった。
それは凄く失礼だし、相手を見下す行為だ。
少なくともかわいそうかどうかなんて
他人である私が決めることではないし、
その人が今幸せそうであるならそれで良い。