介護施設で働いていると
「この人、生き過ぎちゃったんだろうな」
という人に結構出会う。
どういう人かというと、主に寝たきりの人。
たぶん本人はこんな状態のまま生きる事を
望んでないんだろうけど、
家族の希望で生きさせられている人のこと。
この死に際の考え方は世代によって変わるらしい。
長く生きてきた人ほど色んな死に際を見てきてるから
自分が死ぬ時は穏やかに逝きたい。
だから延命治療を拒否する人が多いのだと思う。
でも家族はまだ死に際に立ち会ったことが少なかったり、
「自分がこの人のために何かした証拠がほしい」
みたいな感じで本人が望まない治療を希望する人が結構居る。
結果として治療費や介護の負担などで誰も幸せにならない
状態が出来上がるのですけどね。
私は介護の仕事を通じて色んな死に際を見てきたけど、
寝たきりで言葉も発せず食事は胃ろう(胃に穴を開ける)の人を見ると
自分は絶対こうはなりたくないと強く思う。
助かる見込みがほとんどない延命治療なんてしてほしくない。
もし元気な状態で60歳で死ぬのと70歳から90歳まで
寝たきりで過ごすのとどちらかを選べと言われたら
迷わず前者を選ぶ。
だって寝たきりで20年も過ごすなんて地獄じゃん。
それよりだったら元気なままある日ぽっくり逝く方がずっといい。
しかし延命治療を望まない尊厳死って未だに認められてないそうですね。
臓器提供カードみたいに簡単に自分の意志を示せて
それを尊重してくれる世の中ならどんなにいいことか。