一人暮らしでアパートに住み始めてから、
暖房器具は備え付けのエアコンだけになった。
首都圏は地元(山形)に比べて穏やかな冬なので
これで十分だが、どうしても実家で使っていた
石油ストーブが恋しくなる。
実家に住んでいたときはずっと石油ストーブを使っていた。
エアコンだと部屋があまり暖まらず(気密性が低かったので)、
中途半端にぬるい風を出すだけで不快だったので
ほとんど使うことはなかった。
その点石油ストーブだと自分ひとりが
暖を取るにはちょうどよかった。
もちろん火事の危険性や灯油を入れる面倒さなど
エアコンより不便な点はある。
それでもあの生の火の暖かさや、
ストーブの上に置いてあるヤカンの蒸気、
ストーブ周辺とその周りの気温差などが
如何にも冬っぽくてなんだか落ち着いたのを覚えている。
こういった感覚は雪国で生まれなければ、
そして石油ストーブを使うような家に生まれなければ
感じることはなかったのだと思う。
冬の寒さは大嫌いだが、
もう一度あの石油ストーブの感覚を
体験してみたいとは思う。